JMS舌圧測定器とは!!BLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。
今日は「JMS舌圧測定器」についてご説明いたします。
本院では、MFTのトレーニング前後の評価法の一つとしてこの舌圧測定器を用いています。
MFTは歯列を取り巻く周囲環境の改善を目的に行います。
その対象の一つが「舌」です。
この舌は随意筋であるため、位置も形態も自由に変化してしまいます。
そのため、舌の評価は非常に難しいとされています。
それでは、この「舌圧測定器」は舌の何に着目し、何を評価するのでしょうか?
▶舌の運動機能を最大舌圧として測定します。
舌の運動機能評価法は様々あります。
しかし、これまで患者様にとってわかりやすいとは言えないものでした。
この機器の優れている点は、舌の力(舌圧)に着目しそれを単純な数値として評価したことです
(ここでいう「舌圧」は「口に取り込んだ食物を舌が口蓋前方部との間で潰す力」のことを指しています。)
この舌圧は、握力や背筋力などと同様に考えてよいでしょう。
同年代の基準値と比べて低ければ、正しく機能しているとはいえず、機能改善の対象となります。
また、患者様にもわかりやすいため、トレーニングの効果も実感しやすくなっています。
それでは、どのような機器を用いて測定を行うのかを見ていきましょう
▶小型の検査機器、簡便な検査
舌圧測定器は「手のひらサイズのデジタルモニター」と「連結チューブ」、「舌圧プローブ」から構成されています。
図左の舌圧プローブ先端を口腔内に入れ5秒ほど舌の力でバルーン部分を押しつぶします。
この際、バルーン部分に加わる圧力がリアルタイムに表示されます
もちろん、測定中の最大圧も記録されています。
▶年代別最大舌圧は?
以下に年代別最大舌圧の基準値と目安をお示しします。
データは「Utanohara Y,Dysphagia,23:286-290,2008.」からの引用です。
これは853名から得られたもので最大舌圧の基準値として非常に参考になるものです。
(これほど大規模に調査したものはありません!!)
この数値を基準に舌の機能評価を行っています。
▶舌トレーニング用具「ペコぱんだ」
本院では舌機能改善にMFTを採用しています
その補助トレーニング用具の一つに「ペコぱんだ」というものがあります。
これはすべての患者様に用いているわけではありませんが、構造が単純で一定の効果を期待できる優れた用具です。
構造は「トレーニング部」「位置決め部」「持ち手部」から構成されイラストのように使用します。
(イラストはGCのトレーニングマニュアルよりお借りしています。)
使い方はイラストのようにくわえ、
ペコぱんだのトレーニング部を舌の上に載せて位置決め部を歯でくわえます。
舌でトレーニング部を繰り返し押しつぶします。
これを既定のプログラム行うことで「舌の筋力アップ」「舌の持久力アップ」を目指します。
ペコぱんだは小さな用具のため、かさばらず外泊時にも気軽に使用することが出来ます。
▶まとめ
MFT前後において、舌の評価はこれまで視診、写真(静止画)、ビデオ撮影(動画)などによる方法が主流でした。
「JMS舌圧測定器」は舌運動の評価法の1つに過ぎませんが、舌機能を最大舌圧という形で数値化した意味合いは非常に大きいと言えます。
なぜならば、誰にでもわかりやすい指標のため、患者様のトレーニングモチベーションの向上につながるからです。
年代問わず、成績(数値)が上がると嬉しいですね。
本院では本機器を使用し始めて、特にお子様のモチベーションが上がったと思います。
楽しくトレーニングを続ける助けとなる「JSM舌圧測定器」。
今後も本院で活躍することでしょう。
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投稿日:2015年12月19日 カテゴリー:MFT(口腔筋機能療法)