6歳臼歯について~咬み合わせの要~BLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。
本日は、咬み合わせの要とも言われている「6歳臼歯」についてお話いたします。
▶6歳臼歯とは
6歳臼歯とは、平均すると6歳ぐらいに生えてくる・真ん中から数えて6番目の歯のことを指します。
正式名称は「第一大臼歯」です。
最も早く生えてくる大人の奥歯です。
どのような形態かというと、
(左下6番の斜め上からの写真です。)
(↑左上6番の真上からの写真です。)
このような形態です。
歯は部位ごとにそれぞれの役割がありますが、この6歳臼歯はすべての歯の中で最も大きく、食べ物を噛み砕く際に最重要となる歯です。
▶6歳臼歯が重要な理由
すべての歯は大切ですが、6歳臼歯が特に大切だと考えられているのは以下の理由からです。
①噛む力が最も強い
②咬み合わせを決める基準となる
➂むし歯ゼロ達成の目安になる
①噛む力が最も強い
成人男性の噛みしめ時に歯にかかる力(咬合力)は約60kgといわれています。(下顎第一大臼歯)
おおよそ、自分自身の体重に匹敵する力です
様々な食べ物を咀嚼するために、6歳臼歯の咬合力は欠かせません。
②咬み合わせを決める基準となる
2つ目は我々矯正医に最も関係が深い項目です。
そう、矯正医は上下6歳臼歯の前後的な関係を咬み合わせの基準の一つとしてみています。
(Angleの分類)
これは、6歳臼歯の位置関係を3つのタイプに分けるに過ぎない一見単純・凡庸な分類に思えます。
しかし、多種多様・複雑な咬み合わせを簡易な線引きによって、たった3つに分類分けするAngle分類は世界中の矯正歯科臨床の場で使用されています。
「Simple is best.」ということでしょうか?
【Angle classⅠ】
【Angle classⅡ(div1)】
【Angle classⅡ(div2)】
【Angle classⅢ】
上のイラストがAngle分類です。
これは、6歳臼歯の前後的位置関係にのみ着目しています。
イレギュラーな診断・症例(片顎抜歯、先天欠如症例など)を除けば、基本的にAngle classⅠを目指して矯正治療を行います。
Angle ClassⅠと関連の深い不正咬合 ⇒ 叢生、前歯部の部分的な逆被蓋、上下顎前突
Angle ClassⅡと関連の深い不正咬合 ⇒ 上顎前突、過蓋咬合
Angle ClassⅢと関連の深い不正咬合 ⇒ 反対咬合
➂むし歯ゼロ達成の目安になる
6歳臼歯は咬合面(物を噛む面)が非常に複雑な形態をしています。
複雑な形態とは、磨き残しが生じやすい形態という意味です。
また、奥のほうに生えているため歯磨きもしにくい!!
つまり、6歳臼歯はむし歯になりやすい歯ともいえるのです。
しかし逆にいうと、この歯を子供の時期からむし歯にしないようケアできれば、生涯むし歯ゼロを達成することができるでしょう。
このように、6歳臼歯は虫歯予防の見地からも重要視される歯なのです。
▶まとめ
6歳臼歯の重要性をお分かりいただけたでしょうか?
お子様ご本人には、まだその重要性を理解していただくことはできません。
自分自身で歯の健康を守れるようになるためには、ご両親のサポートが必要となります。
本人に完全にバトンタッチするまでには長い時間を要します。
(本人0%・両親100% → 本人100%・両親0%)
また、その時期は早すぎても遅すぎてもうまくいきません。
そのバトンタッチの開始時期が、6歳臼歯萌出のタイミングなのです。
6歳臼歯は咬み合わせの要になる歯です。
みなさん、大切にしましょう。
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投稿日:2016年3月8日 カテゴリー:☆☆人気ブログ☆☆, 口腔衛生・予防歯科, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療