緩徐拡大装置「固定式と取り外し式」BLOG

こんにちは、神保町矯正歯科クリニック・院長の東野良治です。

 

今日は「緩徐拡大装置」という装置についてお話します。

 

「緩徐拡大装置」とは1~2年かけて徐々に歯列を側方・前方に拡大する装置です。

 

この装置も、先述した急速拡大装置と同様、歯が並ぶスペースの足りない症例で、スペース獲得のために用います。

 

子供の顎の成長期に合わせてゆっくりと無理なく拡大するため、患者さんご本人への負担も小さいのです。

 

急速拡大装置ほどのスペース獲得はできませんが、用いる頻度の高い非常にポピュラーな装置です。

 

緩徐拡大装置には

➀固定式(W-type拡大装置)

➁取り外し式(プレートタイプ拡大装置)

の2種類があります。

 

それぞれのメリット・デメリットがあるため個々の患者さんごとに装置選択を行っています。

 

➀固定式(W-type拡大装置)

緩徐拡大1

最大のメリットは、患者さんご自身ではずせないため、矯正医としては拡大量のコントロールが比較的容易ということ。

また、ヘッドギアやD.B.S.との装置併用を行いやすく、複数の治療目標を同時に達成できる点もメリットですね。

ただ、装置がくっついたままなので、清掃性という点で劣ります。

 

下記の症例は、固定式のW-type拡大装置を用いたケースです。

1 (1)

固定式拡大装置+ヘッドギア+マルチブラケット装置を使用した症例(初診時)

2 (1)

固定式拡大装置+ヘッドギア+マルチブラケット装置を使用した症例(途中経過:1期治療終了時)

転勤族のお子さんで、大急ぎでⅠ期治療を終了させました。(結局転勤はありませんでしたが。。。)

Ⅱ期治療(仕上げの治療)は12歳臼歯まで生えそろう中学生になってから行う予定です。

 

➁取り外し式(プレートタイプ拡大装置)

DSC_0059

最大のメリットは、取り外しができるため清掃性に優れていること、子供にとってはとっつきやすいことです。

就寝時のみ使用していただく場合がほとんどですので、学校での生活に大きな変化が生じることはありません。

メリットの裏返しとして、この装置はご自身で使うものですので、使用していただかないと全く効果がありません。

使用時間の確保ができない場合は、装置の変更を余儀なくされます。

 

下記の症例は、取り外し式のプレートタイプ拡大装置を用いて治療を行ったケースです。

1 (3)
緩徐拡大装置+マルチブラケット装置を使用した症例(初診時)

2 (6)

緩徐拡大装置+マルチブラケット装置を使用した症例(治療終了時)

※上下の真ん中が一致していないのは、下の前歯が生まれつき1本足りないからです。

 

 

 

 

 

 

 

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院長:東野 良治

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投稿日:2014年11月20日  カテゴリー:子どもの矯正治療, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療, 症例

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