永久歯の望ましい交換順序~歯の生え変わりについてのお話~BLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。
「乳歯から永久歯への生え変わり」。
これは、子供から大人へと成長する過程で誰しもが経験することです。
それに伴い様々な心配事があると思います。
例えば、
「うちの子供の歯の生え変わりが遅い!!」
「変なところから歯が生えてきている!!」
「歯の交換順序が上の子供のと違うような??」
などなど。
乳歯から永久歯への生え変わりの順序・時期は個人差がありますので、まずは焦らずかかりつけ歯科医or矯正歯科専門医にご相談ください。
このブログでは、望ましい歯の交換順序についてご説明します。
ご参考ください。
▶パノラマレントゲンとは
まだ、未萌出の永久歯の状態を診るためにはレントゲンが必要となります。
この場合、一般的に「パノラマレントゲン」撮影を行います
パノラマレントゲンとは、
このようなものです。
パノラマレントゲンは3次元を2次元化したものです。
わかりにくい方は、こちらの動画をご覧ください。
歯の交換状態を知るためには、必須の情報となります。
*歯科で撮影するレントゲン放射線量は低量ですのでご安心ください
参考ブログ ⇒「矯正歯科クリニックで撮影するレントゲンの放射線被曝量について」
▶歯の生え変わりが一目でわかる動画
まずは、歯の生え変わりが一目でわかる動画をご覧ください。
これは0~21歳までの標準的な歯の交換です。
(あくまで一例ですが。。。)
少し古い文献ですが、1953年のLoとMoyersは、
上顎;6→1→2→4→5→3→7
下顎:6→1→2→3→4→5→7
(数字の番号は真ん中から数えて何番目の歯かを指しています。)
が望ましい交換順序と報告しています。
また、
上顎;6→1→2→4→3→5→7
下顎:6→1→2→4→3→5→7
も標準的な歯の交換の一例としています。
全体の40%以上の方がこの2つのタイプに当てはまると言われています。
▶歯の生え変わる時期は?!
歯の生え変わる時期にも個人差があります
通常、永久歯で最も早く萌出するのは下顎中切歯です。(下の真ん中の歯;1)
永久歯の萌出時期に関して、1988年に日本小児歯科学会にその調査報告が掲載されています。
ご参考にしてください。
大体、小学校に入学する頃から生え変わりが始まり、小学校を卒業するころには乳歯がすべて抜け、12歳臼歯の萌出を待つのが一般的です。
この統計から大きく外れるようであれば、矯正専門医にご相談ください。
▶ヘルマンのデンタルエイジ「Hellman dental age」
矯正歯科医院では、歯の交換時期(咬合の発育段階)をいくつかにタイプ分けしています。
これを「Hellmanのdental age」といいます。
いわば、矯正歯科医間の共通言語ですね。
StageⅠ :乳歯咬合の完成前
StageⅡA :乳歯咬合の完成期
StageⅡC :第一大臼歯萌出開始期
StageⅢA :すべての第一大臼歯と前歯萌出完了期
StageⅢB :側方乳歯群脱落・後継永久歯萌出期
StageⅢC :第二大臼歯萌出開始期
StageⅣA :第二大臼歯萌出完了期
StageⅣC :第三大臼歯萌出開始期
StageⅤA :第三大臼歯萌出完了期
子供の矯正治療はStageⅢBから始めると効果的な症例が多いです。(小学2~4年)
この時期は、上下顎が最も活発に発育するため、成長発育を利用した矯正治療が可能となります。
(叢生、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、口腔周囲筋の不調和の治療(MFT)に有効です。)
もちろん、症例によりますので、あくまで目安です。
ご自身で判断なさらず、必ず専門家の判断を仰いでください。
▶まとめ
お子様の歯の生え変わりに伴う悩み。
多くのご両親に当てはまることではないかと思います。
専門家に相談されることがベストですが、まずは焦らず現状を把握しましょう。
本ブログが少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
歯並びでお悩みの方は是非ご相談ください
歯学博士・矯正歯科専門医である東野良治院長が対応いたします。些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。
電話:03-5577-6475
メール:こちらから
住所:
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1-10-1 IVYビル3F
神保町駅A5出口出てすぐ
東野良治院長の経歴や所属、学会発表など、より詳しくはこちら。
投稿日:2016年2月21日 カテゴリー:子どもの矯正治療, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療