子供の出っ歯(上顎前突)BLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。
今日は、子供の出っ歯(上顎前突)についてお話します。
(大人の出っ歯はこちらを参照ください。)
*上の写真がいわゆる出っ歯です。
▶4パターンの出っ歯!
一口で出っ歯といっても様々なパターンかあります。
①上顎が出ている(骨格の問題)
②下顎がひけている(骨格の問題)
➂上下顎前歯の傾斜に問題がある(歯の問題)
a) 上顎前歯が外側に傾斜している(唇側傾斜)
b) 下顎の前歯が内側に傾斜している(舌側傾斜)
c) 上顎前歯は唇側傾斜、かつ下顎前歯は舌側傾斜
④ ①、②、③の複合型(骨格と歯の両方の問題)
つまり、骨格の問題(骨格性)と歯の問題(歯性)を分けてみるべきだということです。
患者さんがどのタイプなのかによって治療方法は大きく変わってきますので、精密検査にて①~④に分類分けする必要があるのです。
必要とする検査は、セファログラム(側方頭部X線規格写真)と呼ばれるレントゲン撮影です。
(もちろんこれのみで治療方針を決定するわけではありません。)
このセファログラムは矯正歯科専門医院や大学病院で撮影することができます。
(当院でも撮影を行っています。)
正しい治療方針の決定には、精密検査→分析という一連の流れはなくてはなりません。
▶ケースによって治療方法も様々
それぞれの治療例をご紹介します。
*同じように見える症例であっても、精密検査及び通院時年齢により治療方法は異なりますので、あくまで参考としてご覧ください。
それぞれの治療法は
①上顎が出ている(骨格の問題)
→上顎骨の成長を抑制する装置を使う。
EX)ヘッドギア
骨格の問題として、上顎骨が前方に過成長している症例です。
上顎骨が活発に成長している時期に、上顎骨成長を阻害するという治療法です。
成長にアタックする治療ですので、1~2年という単位の治療期間を要します。
もちろん、際限なく成長抑制を行うことはできませんのでご注意ください。
②下顎がひけている(後退している)(骨格の問題)
→下顎骨の成長を前方に促す装置を使う。
EX)バイオネーター、マルチファミリー(Multi family)など
骨格の問題として、下顎骨の成長が足りていない症例です。
下顎骨の成長が活発に行われる時期に、下顎骨の前方成長促進を行う治療法です。
①と同じく年単位の治療期間を要します。
①と同じく、際限なく成長促進は行えませんのでご注意ください。
➂上顎前歯が外側に傾斜している(歯の問題)
→歯の傾斜を改善する装置を使う。
EX)D.B.S.、床矯正装置、マルチファミリー(Multi family)など
上下顎骨の前後的位置関係には問題のない症例です。
歯の傾斜のみに問題があります。
歯の傾斜の改善を行うことで出っ歯の改善を行います。
前歯歯根がある程度完成していることが前提となるため、時期の選定が重要となります。
また、異常な歯の傾斜は口腔周囲筋に不調和があることが多く、必要に応じて検査を追加しMFT(口腔筋機能療法)を行います。
治療開始前
↓
↓
Ⅰ期治療終了時(この後、Ⅱ期治療に移ります。)
④ ①、②、③の複合型(骨格と歯の両方の問題)
→上記の装置を併用して使う
▶まとめ
ご紹介しました矯正装置は、それぞれ使用目的が全く異なります。
用途の違う装置を使用すれば、咬合状態は良くなるどころか全体として悪い方向に向かってしまいます。
診断を誤ると正しいゴールに到達しません。
矯正治療をご検討の方は必ず矯正専門医にご相談ください。
歯並びでお悩みの方は是非ご相談ください
歯学博士・矯正歯科専門医である東野良治院長が対応いたします。些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。
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投稿日:2014年11月23日 カテゴリー:☆☆人気ブログ☆☆, 子どもの矯正治療, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療