妊娠と矯正歯科治療~よくあるの質問まとめ~BLOG

こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。*jo_030A

 

本院には20~30代女性の患者様が多く受診されています。

 

今回は女性特有のよくある質問をご紹介いたします。nurse.gif

 

それは、

「妊娠と矯正治療」

に関してです。

 

妊娠、特に第1子妊娠時は何かと不安なことも多くあるかと思います。

 

参考にしていただければと思います。

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▶矯正治療のどのステップに注意すればいいの?

矯正治療と関連して、よくある質問項目には「レントゲン撮影」「抜歯」「投薬(鎮痛剤、抗生剤)」などが挙げられます。

特に、妊娠の可能性がある場合や妊娠初期の場合、 気づかずにレントゲン撮影や風邪薬の服用・アルコール摂取・喫煙することがあり、 妊娠の発覚によりハッとすることがあると思います。

さすがに、妊娠が確定すればアルコール摂取と喫煙などの嗜好品は控えますが、レントゲン撮影・抜歯・投薬はどうでしょうか?

 

まずは矯正治療の流れから見てみましょうicon_idea.gif

 

矯正治療流れは

①矯正相談

②精密検査(レントゲン撮影など)

便宜抜歯・虫歯治療など(必要がある方のみ)

➂矯正治療スタート

④矯正治療終了

 

上記の流れを見ていただければ、お分かりかと思いますが、

 

みなさまが心配される項目は通常、矯正治療の開始前に終えてしまうのです。

 

そのため、矯正治療中に妊娠しても問題はありません。

 

実際、当院の患者様の場合、出産前後の1か月間だけ矯正治療をお休みしていただいている程度です。

 

 

それでは妊娠中から矯正治療を始めることはできないの?

矯正治療を始める際に精密検査を避けることができません。

レントゲン撮影が必要ということですね。

妊婦がレントゲン撮影を避けたい理由は、放射線被曝による胎児への影響です。

詳細は国際放射線防護委員会(ICRP)P16の報告 arrow005_blueに委ねますが、結論から言うと矯正治療の精密検査で必要とするレントゲン被曝量は非常に少量です。

そのため、出生後に先天異常の生じる優位なリスクがあるとは考えにくいとされています。

つまり、矯正歯科医院で撮影するレントゲンを数枚撮ったところで、何かが起こるとは考えにくいのが一般的な考えです。

とはいえ、妊娠中必要以上の放射線被曝は避けるに越したことはありません。

また、妊娠中はナイーブになりやすいため、精神的なストレスが大きく現れるタイプの方は注意が必要です。

妊娠の可能性がある場合もしくは妊娠している場合は、矯正歯科専門医に矯正治療開始時期も含めてよく相談されることをお勧めします。kao06.gif

 

⇒関連ブログ 「矯正歯科クリニックで撮影するレントゲンの放射線被曝量について」

 

 

▶抜歯や投薬(鎮痛剤、抗菌剤など)はどうか?

矯正治療計画上必要な場合に限らず、妊娠中に抜歯や虫歯治療の必要性が生じる場合があります。

妊娠中のこのような処置は、「原則として必要ならいつでも行うべき」といわれています。

しかし、誤解が無いようにしてください。

あくまで、必要があればです。

それは妊娠のため処置を先延ばしにすると、かえって重篤な状況を招く場合です。

とはいえ、妊娠のステージによりリスクの大小が違います。

緊急性とリスクに関して専門医とよく相談の上、進めることが大切です。

 

 

▶薬剤の胎児への影響

薬剤の胎児への影響は、催奇形性は妊娠4~15週頃まで、胎児毒性は妊娠16週~分娩まで発現する恐れがあるといわれています。

抜歯や投薬は、胎児への安全性を考慮すれば妊娠5か月目以降(一般的に安定期に入ってから)が望ましいといえるでしょう。

また、妊婦に対して考慮すれば妊娠8か月目以降は早産の可能性もあるため、比較的リスクの低い時期はかなり限られた期間ということができます。

とはいえ、歯科処置や投薬は必要性があるから行う行為です。

歯科処置の時期や投薬量を患者様ご自身の判断で勝手に行わないでください。icon_idea.gif

よくあるケースは投薬量をご自身の判断で減らす行為です。

低量の長期間投与は効果がなく症状を遅延させます。

投薬は通常量を投与し、効果が得られたら早く中止することが大切です。

 

 

*催奇形性;胎児の形に奇形が生じることを指します。

*胎児毒性;胎児の発育や機能を悪くすることを指します。

 

 

▶局所麻酔はどうか?

局所麻酔は一般的に問題ないと考えられています。

十分に局所麻酔し、可及的に無痛化での処置が大切です。

 

 

▶矯正治療上、心配なことは?

これまでは時期をずらせば比較的可能性の低い項目のお話でした。

それではもっと身近で可能性の高いお話に移ります

妊娠中の虫歯・歯周炎に関してです。

妊娠中は女性ホルモン・エストロゲンestrogenが多くなります。

これは確実に起こることです。

口腔内にはこのエストロゲンを好む歯周病菌が存在します。

そのため、妊娠中は歯茎が腫れやすくなるのです。icon_eek.gif

歯茎の腫れは、むし歯と歯周病リスクを高めます。

ただでさえ、矯正治療中は歯磨きが難しくなるため、通常時以上の口腔ケアが必要です。

患者様ご自身での管理が心配な方は、妊娠時に歯科医院へメンテナンスに通院されることをお勧めします。

 

 

▶まとめ

正しい知識を得れば、どこに注意をすればよいかがわかり、リスク回避につながります。

適切な時期に正しい行為を行うことが大切なのです。

そのためにも、矯正歯科治療、一般歯科治療、その他の治療に関しては、患者様ご自身の状況と治療時期も含めて必ず専門医と相談するようにしてください。

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歯並びでお悩みの方は是非ご相談ください

院長:東野 良治

歯学博士・矯正歯科専門医である東野良治院長が対応いたします。些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。

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投稿日:2015年8月30日  カテゴリー:よくある質問, 大人の矯正治療, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療

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