ワイヤー矯正で使用する装置の名称BLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。
本日は、ワイヤー矯正で使用する装置の名称についてお話します。
(ワイヤー矯正とは造語です。ここではブラケットとワイヤーを用いたエッジワイズ装置を用いた矯正治療のことを指します。)
そんなものを知って何の役に立つのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。
装置の名称を知るメリットは、装置脱離などのトラブルが生じた際、担当医(通院している医院)へ状況を的確に伝えることが出来る、ということにあります。
担当医も状況がわかりやすくなると、より迅速に最適な対応策を講じることが出来るでしょう。
本ブログの目的は、主として使用する矯正器具の形と名称を覚えていただくことです
詳しい説明などに関しては別ブログに譲ります。
それでは1つずつ見ていきましょう。
▶基本構造はブラケット、アーチワイヤー、結紮線です。
多くの方は、矯正装置というと「ブラケット、アーチワイヤー、結紮線」をイメージされるようです。
ブラケット(ブレース)
*イラストは金属ブラケットですが、本院では目立ちにくい審美ブラケットを使用しています。
一言で、矯正用ブラケット(ブレースとも言います。)といっても様々な形のものがあります。
材質は大きく分けて、金属、プラスティック、セラミックの3種類です。
症例により選別を行っていますが、本院では前歯6本はInVu miniというセラミックブラケット、小臼歯はクリッピーC(orエンパワークリア)というセルフライゲーションタイプのセラミックブラケット、第1大臼歯はクリッピーチューブというセルフライゲーションタイプの金属ブラケットを、第2大臼歯は接着面積の大きいチューブを使用しています。
このラインナップにしている理由は、最も目立ちにくく、歯も効率的に移動できるためです
アーチワイヤー
*イラストは金属アーチワイヤーですが、本院では主にホワイトワイヤーを使用しています。
アーチワイヤーにも様々な種類があります。
材質で分類するとNiTiワイヤー(ニッケルチタンワイヤー、NTワイヤー)とステンレスワイヤー、色で分類するとホワイトワイヤーと金属ワイヤーがあります。
NiTiワイヤーは柔らかく、ステンレスワイヤーは硬いのが特徴です
症例のステージに合わせてワイヤー選択を行います。
ホワイトワイヤーは目立ちにくいのが特徴です
ホワイトワイヤーにも多くの種類がありますが、金属ワイヤーの表面にホワイトコーティング処理を施しているものがほとんどです。
口腔内環境にもよりますが、数か月するとホワイトコーティングが剥がれてくるため、アーチワイヤー交換の頻度が高くなります。
結紮線
イラストは金属結紮とゴム結紮ですが、他にホワイトコーティング結紮もございます。
イラストの金属結紮が最も一般的な結紮様式です
金属の結紮線は、結紮の強さのコントロールがしやすく、治療効率を考えると最も合理的な方法です。
右のゴム結紮は、いろいろな色のゴムを選択ができ(希望される方は)、矯正治療をカジュアルに行いたい方に人気があります
また、ホワイトコーティングした結紮線もあります。
本院では、治療のステージに合わせてホワイトコーティングした結紮線の使用も行っています。
Invu mini、ホワイトワイヤー、ホワイトコーティングした結紮線を使用した口元は下の写真のようになります
▶その他の構造物
小林フック(小林タイフック、ピグテイル)
小林フックも良く使用する補助装置です
その役割は、ブラケットに顎間ゴムを引っかけられるようにすることです。
なかなかよくできた補助装置です。
矯正治療中頻繁に使用します
パワーチェーン(エラスティックチェーン)
パワーチェーンは歯を移動させることを目的に使用します
イラストは青色のパワーチェーンですが、透明のものを使用するのが一般的です。
パワーチェーンもライトフォースからヘビーフォース(弱い力から強い力)まで様々あり、用途に応じて選択します
*パワーチェーンの使用一例をご覧ください。
顎間ゴム(エラスティックゴム)
矯正治療上欠かせない顎間ゴム
顎間ゴムの使用方法は多々あり、同じ症例であったとしても治療ステージによって全く違った使い方をします.
治療の成否にかかわるほど重要だといってよいでしょう
顎間ゴムを使用したいくつかの動画をご覧ください。
①顎間ゴム使用例(前歯部開咬)
②顎間ゴム使用例(臼歯部鋏状咬合)
➂顎間ゴム使用例(小臼歯部開咬)
④顎間ゴム使用例(上下正中線修正、Midline Correction)
コイルスプリング
コイルスプリングにもオープンタイプ(オープンコイル)とクローズドタイプ(クローズドコイル)があります。
もちろん使用用途は違います。
顎間ゴムを使用したいくつかの動画をご覧ください。
▶まとめ
ワイヤー矯正で用いる構造物、いくつか覚えることができたでしょうか?
装置に不具合が生じたとき、その構造物の名称をお伝えいただければ、スピーディーに対応できるのではないかと思います
もちろん、患者様に絶対覚えていただかないといけないわけではありません。
このブログが皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。
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投稿日:2015年12月6日 カテゴリー:歯並び・かみ合わせ・矯正治療