セルフライゲーティングブラケット~新しいタイプのブラケットBLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院、神保町矯正歯科クリニック・院長の東野良治です。
本院では多くの症例に「セルフライゲーティングブラケット」を取り入れて治療を行っています。
使用している場所は、第1小臼歯・第2小臼歯・第1大臼歯です。(真ん中の歯から4,5,6番目の歯です。)
本日は、「セルフライゲーティングブラケット」って何?をご説明いたします。
「セルフライゲーティングブラケット」の主な特徴は以下のつです。
①結紮の必要がない
②ブラケットとワイヤーの摩擦が少ない
③清掃性に優れている
④ブラケットが少し大きい
それでは、1つずつ見ていきましょう
▶①新しいタイプのブラケットです。
従来のブラケットは、ワイヤーをブラケットに結紮(しばりつける)必要がありました。
使用する材料は結紮線 or ゴムです。
①-1)従来の結紮法~その1(結紮線による結紮)
結紮線による結紮がわかるイラストをご覧ください。
(*イラストはメタルブラケット、メタルワイヤーを使用しています。)
(*本院では主にセラミックブラケット(審美ブラケット)、ホワイトワイヤー(審美ワイヤー)を使用しています。)
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続けて動画をご覧ください。
①-2)従来の結紮法~その1(ゴム結紮による結紮)
ゴム結紮による結紮がわかるイラストをご覧ください。
(*イラストはセラミックブラケット(審美ブラケット)、メタルワイヤーを使用しています。
(*本院では主にセラミックブラケット(審美ブラケット)、ホワイトワイヤー(審美ワイヤー)を使用しています。)
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続けて動画をご覧ください。
①-3)新しい結紮法(セルフライゲーティングブラケット)
セルフライゲーティングを英語表記すると「self-ligating」となり、直接和訳すると「自ら―結紮する」になります。
つまり、ブラケット自体が結紮機能を有しているということです。
セルフライゲーティングブラケットでは、従来のワイヤー結紮もゴム結紮も必要ありません。
それではイラストを見ていきましょう。
(*イラストはメタルのセルフライゲーティングブラケット(デーモンブラケット)、メタルワイヤーを使用しています。)
(本院ではセラミックのセルフライゲーティングブラケット(クリッピーC or エンパワークリア)、ホワイトワイヤー(審美ワイヤー)を使用しています。)
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続けて動画をご覧ください。
この結紮しないという特徴は、これまでのブラケットにないメリットがあるのです。
▶②ローフリクション・ローフォース
結紮するとその強さに関わらず、ブラケットがワイヤーを移動する際に摩擦が生じます。
少なくとも、セルフライゲーティングブラケットで生じる摩擦 << 従来のブラケットで生じる摩擦
です。
摩擦が少ない(ローフリクション)と何が良いのでしょう。
確実に言えることは、歯を移動させるのに必要な力が少なくて済むことです。(ローフォース)
ローフリクション・ローフォースです。
無駄な力を生じないと、bowing effectといった歓迎しない歯の動きが起こる可能性が少なくなるのです。
つまり、治療期間の短縮につながる可能性が高いのです。
治療のすべてのステージにおいて、ローフリクション・ローフォースが効率的な歯の移動を達成するわけではありません。
しかし、少なくともレベリングステージ、スライディングメカニクスステージにおいて有利であることは、誰もが認めるところです。
セルフライゲーティングブラケットは結紮することもできるため、フリクションの調整も可能です。
治療ステージに合わせて、ローフリクション・ハイフリクションを調整できれば、治療期間の短縮に大いに役立つことでしょう。
参考までに関連動画をご覧ください。
動画はデーモンブラケットの特徴を紹介するものです。
その中に、ローフリクションがわかるものが出てきます。
▶➂清掃性に優れている。
セルフライゲーティングブラケットは従来のブラケットシステムと比べ、清掃性に優れています。
ここでいう清掃性とは、デンタルプラークがつきやすいか否かということです。
その差は、結紮の構造上の違いです。
余分な結紮がない分、セルフライゲーティングブラケットに軍配が上がります。
もちろん、完璧なブラッシングがなされればどんなブラケットであっても、むし歯になりません。
誤解が無いようにお願いします
ブラケットの種類に関係なく、ブラッシングが良くないとこうなります。
この動画をご覧いただければ、絶対にこのようになりません。
目に焼き付けてください。
▶④ブラケットが少し大きい
セルフライゲーティングブラケット最大の欠点はその大きさです。
この点が改善されれば、すべてのブラケットがセルフライゲーティングブラケットにとって代わるでしょう。
(正確にいうと、コストがかかるためすべてではないと思いますが、かなりのシェアを占めると思います。)
とはいえ、年々、小型化がなされています。
今後の開発に期待しましょう。
本院ではセルフライゲーティングブラケットの特徴をいかんなく発揮できる小臼歯以降の部分に採用しています。
(前歯部は審美ブラケットに軍配が上がります。)
▶まとめ
セルフライゲーティングブラケットはサイズが大きいことを除けば、いいことばかりです。
近い将来、従来のブラケットにとって代わる可能性を秘めているといえます。
しかし、どんなに材料が進化したとしても、それを生かせる経験値が大切だということは言うまでもありません。
歯並びでお悩みの方は是非ご相談ください
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投稿日:2016年1月10日 カテゴリー:☆☆人気ブログ☆☆, 大人の矯正治療, 子どもの矯正治療, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療