こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。

 

今日は「大人のガミースマイル」についてお話しします。

（子供のガミースマイルはこちらをご覧ください。）

 

「ガミースマイル」って聞いたことがあるでしょうか？

 

「ガミースマイル」とは笑ったときに、上の歯茎が見える状態を指します。

 

 

この原因は大きく分けると2通りあります。

1. 上唇を引き上げる筋肉が強い
2. 上顎骨の発達が過剰

 

もちろん、①と②の両方を原因とするガミースマイルも存在します。

 

 

 

▶①上唇を引き上げる筋肉が強い

上唇を上げる筋肉が強い場合、笑うと歯茎の上まで唇がめくれ上がってしまします。

 

軽度のものであれば、MFT（口腔筋機能療法）のトレーニングを行います。

 

MFTは口腔周囲筋の適正を目標の一つとしており、弱すぎる筋肉は強く、強すぎる筋肉は弱くなるように指導します。

 

しかし大人の場合、すでに体に染みついた癖はなかなかとれにくく、トレーニングに対する本人のやる気・根気が必要となります。

 

MFTを行っても改善しないものは、粘膜の縫合などの外科的処置が必要となります。
（本院では、外科的処置による対応は行えません。）

 

 

 

▶②上顎骨の発育が過剰

ガミースマイルの原因が骨にある場合です。

 

主に上顎骨の過剰な発達により、前方（水平成分、黄矢印）及び下方（垂直成分、赤矢印）の長さが長くなっている状態です。

 

物理的長さが長いため、上唇で歯茎と歯を覆いきれなくなっているのです。

 

骨の垂直成分が強い症例ほど難度の高いタイプとなり、ガミースマイルの改善には骨切り手術などの外科的処置が必要となります。

 

骨切り手術が一目でわかる動画をご覧ください。

 

 

骨の垂直成分の要因は強くなく、水平成分が強い症例はガミースマイルとしては比較的軽度な症例です。

 

この場合、矯正治療のみである程度対応可能です。

 

この際、インプラント矯正（歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療）を併用します。

 

両側小臼歯抜歯＋インプラント矯正です。

 

歯科矯正用アンカースクリューという小さいネジを上顎前歯の歯茎に埋入し、上顎前歯を上方へ移動させます。

 

若干（1～3㎜）ですが、歯槽部の長さは短くなるのです。（垂直成分の改善）

 

あとは、小臼歯抜歯スペースに上顎前歯を後方移動させ、水平成分の改善を行います。

 

ガミースマイル用の動画ではありませんが、小臼歯抜歯スペースへ上顎前歯を後方移動させる歯牙移動が良く分かる動画をご覧ください。

 

上顎歯槽部の骨が歯と同時に後方へ移動している様子がわかると思います。

 

限定的ではありますが、矯正治療によっても若干の改善を行えるのです。

 

 

▶まとめ

大人の「ガミースマイル」の改善には、矯正治療の活躍する場は少ないのが現状です。

 

それは、成人は骨格や粘膜・筋肉の形態が完成しており、矯正治療では変更の余地が少ないからです。

 

とはいえ、改善可能な症例もありますので、ガミースマイルでお困りの方は専門医へご相談してください。

 

 

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投稿日：2015年1月18日  カテゴリー：☆☆人気ブログ☆☆, よくある質問, 大人の矯正治療, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療