上顎前方牽引装置~反対咬合(受け口)の治療に使用する装置~BLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。
反対咬合の治療には様々な装置が用いられます。
(ムーシールド、L.A. with spring、P.B.P. with spring、上顎前方牽引装置、チンキャップ、マルチブラケット装置など)
年齢や症例に応じて、その選択を行います。
今回はその中でも、「上顎前方牽引装置」についてご説明いたします。
▶上顎前方牽引装置とは!
小児期の骨格性反対咬合は、上顎骨の発育不全が原因であることが多いといわれています。
この上顎前方牽引装置は、上顎骨の成長期に合わせて効果的に使用し、本来の成長力を若干ながら促進することができる装置という位置づけです。
つまり、「上顎骨の成長が良くない時 → 上顎骨の成長を促す→ 上顎前方牽引装置」ということです。
(実際の診断では、装置選択に他の様々な要因も考慮に入れ決定するため、他の装置を選択する場合もあります。)
上顎前方牽引装置は成長力に便乗し作用するため、1~2か月といったスパンではなく、1~2年間持続的に使用することになります。
骨の成長促進にはそれぐらい時間がかかるということです。
どのような装置かというと、下動画のような装置です。(一例です。)
牽引する力は概ね片側300~500g、通常就寝時に使用します。
(毎日使わないとだめですよ。)
それでは、実際の症例を見ていきましょう。
症例①
治療前
↓
↓
↓
上顎前方牽引終了後
症例②
治療前
↓
↓
↓
上顎前方牽引終了後
症例③
治療前
↓
↓
↓
上顎前方牽引終了後
上記3症例とも、上顎前方牽引装置を使用し反対咬合の改善が完了しています。
現在、歯の生え変わりを待っている状態です。
永久歯列完成後はマルチブラケット装置(ワイヤー矯正)を用いて仕上げの治療を行う予定です。
(今後Ⅱ期治療に移行します。)
▶まとめ
子供の上顎成長力を利用する装置=「上顎前方牽引装置」
当たり前ですが、上顎骨が活発に発育している時期限定の治療法となります。
もし、この治療法に適切な症例であれば、時期を逸することなく矯正治療を始めたいですね。
⇒関連ブログ 「反対咬合(受け口)の治療はいつから?」
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投稿日:2016年3月20日 カテゴリー:子どもの矯正治療