ブラケット(ブレース)装着方法についてBLOG
こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。
矯正治療で最も使用頻度の高い「ブラケット(ブレース)」。
(#ワイヤー矯正)
このブラケットは、どのようにして歯にくっつけているのでしょうか?
よくご質問を受けるため、今回これをテーマにお話いたします
ブラケット装着は大きく2つの方法に分けることができます。
ダイレクトボンディング法
インダイレクトボンディング法
▶ダイレクトボンディング法
ダイレクトボンディング法とはその名の通り、ダイレクト=直接、ボンディング=接着する方法です。
これは、事前準備を必要とせず以下の順序で接着を行っていきます。
①歯の表面を研磨
↓
②防湿
↓
➂歯の表面処理
↓
④接着
それでは一連の流れを動画で見ていきましょう。
①歯の表面を研磨
矯正装置を接着させるためには、歯の表面を綺麗な状態にする必要があります。
通常、研磨剤を用いて上記のように研磨します。
本院では、主に松風社の「PRESSAGE;プレサージュ」を採用しています。
これはその成分にフッ素が配合されていない「ノンフッ素歯面研磨ペースト」です。
フッ素は接着性の阻害になるといわれているため、ブラケット接着(ボンディング)前の歯面研磨には向いていません。
そのため、ノンフッ素のものを使用するのが一般的です。
(歯のクリーニングの際には、フッ素入り研磨剤を使用します。)
②防湿
歯にブラケットを接着させるには、歯の表面を防湿する必要があります。
(防湿;湿気から歯の表面を守ること。今回は湿気=唾液です。)
歯の表面研磨後、アングルワイダー(上記イラスト)を用いて防湿を行います。
必要に応じて、排唾管(唾液を取り除きます)・ガーゼを使用します。
➂歯の表面処理
歯の表面処理法には様々のものがあります。
接着材の種類により推奨される方法は異なります。
どの方法にも共通していることは、歯の表面をその接着剤に適した状態にすることです。
本院では主にデンツプライ三金社の「歯面エッチング剤」を使用しています。
本製品はジェル状であるため、液だれせず必要な部分のみエッチング可能です。
④接着
ワイヤー矯正の主役「ブラケット」です。
イラストは金属ブラケットですが、本院では小さく目立ちにくいセラミックブラケット「InVu mini」を主に使用しています。
歯科用接着剤は大別すると2タイプあります。
イラストのような光重合タイプと、化学重合タイプ。
本院では、接着環境により使い分けていますが、主に光重合タイプを用いています。
光重合タイプは、高出力の光を当てると2秒ほどで接着剤が硬化するため患者様の負担が少ないのが特徴です。
化学重合タイプの接着剤は、一定時間経過すると硬化します。(接着剤の種類にもよりますが、硬化時間は約3分半です。)
本院では、光が到達しにくい金属やセラミックの被せ物の歯にブラケットを接着する場合に限定して使用しています。
▶インダイレクトボンディング法
インダイレクトボンディング法とはその名の通り、インダイレクト=間接的に、ボンディング=接着する方法です。
接着手順はダイレクトボンディング法とほとんど同じですが、動画にあるように事前準備が必要となります。
動画は14歯同時に接着する方法を説明していますが、その他にも6歯ずつ行う方法、1歯ずつ行う方法とインダイレクトボンディング法にもいくつかの方法があります。
本院では主に舌側矯正治療のボンディングの際に、インダイレクトボンディング法を用いています。
▶まとめ
ブラケットの接着一つとっても様々な材料・方法があります。
基本的手順はどの方法にも大きな違いがありません。
しかし、接着環境により材料・方法のベストミックスは異なってきます。
あなたの歯にはどの材料、どの方法で接着するでしょうか?
その選択にはきっと理由があるはずです。
歯並びでお悩みの方は是非ご相談ください
歯学博士・矯正歯科専門医である東野良治院長が対応いたします。些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。
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投稿日:2016年3月1日 カテゴリー:よくある質問, 大人の矯正治療, 子どもの矯正治療, 裏側矯正(舌側矯正)